勉強を子どもたちに教える際の基本というものは昔も今も変わりません。「魚を
与えるのではなく、魚のとり方を教えろ。」とは言い尽くされた言葉ながら学習指
導の本質をついた名言でしょう。しかし現実には、まったく同じことを教えても、短
時間で要領よく覚えられる子もいれば、そうでない子もいます。あれこれ工夫して
上手に釣りあげる子もいれば、ただ漠然と糸をたらしているだけの子もいるわけ
です。
 欲しいものはたいていどんなものでも手に入ってしまう今日の日本。親から与
えられてばかりいる子どもたちが、「生きていくための糧を自らの汗を流して手に
入れる」苦労や努力を体験できる機会はきわめて乏しくなっています。そんな子
どもたちに魚釣りの大切さを語っても、魚釣りを好きになってくれるわけではあり
ません。大人が手取り足取り教えても本人に「魚を釣ろう」という切実な気持ちが
なければ上達はしません。
 秀友館がもし「釣り教室」を開くとしたら、何よりも心がけることは、子どもたちが
最初に自分で魚を釣ってみて「あぁ、面白いなあ」と感じることができるかどうかと
いうことです。なぜなら、釣りの面白さを実際に経験できた子どもたちは自ら工夫
するということを学ぶからなのです。はじめは乗り気でなかった子も、環境次第で
釣りが好きにも上手にもなるということです。友達が大きな魚を釣り上げるのを横
目で見て「ようし、俺も」と負けん気を出してもらうのもひとつの方法ですし、魚の数
や種類を競い合うことも楽しいでしょう。向上心さえ芽生えれば自主的な学習能力
はどんどん開発されていくのです。
 大人になる第一歩は「自分の生きる道は自らの力で切り開かなければならない、
自分の欲しいものは自らの力で手に入れなければならない」という現実を実感でき
ることでしょう。そうした体験の場を提供できるのが「釣り教室」ではなかった「学習
塾」の使命ではないかと思うのです。秀友館は、子どもたちの持つ大きな可能性を
楽しく広げられるような塾をめざしていきたいと思います。